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Euro area unemployment rate at 10.1% - EU27 at 9.6%" 180/2010 - 30 November 2010 各国の歳出削減策で回復に遅れも 欧州委員会が11月に公表した景気予測に関するレポートによれば、EUの景気回復はこれまでのところ、想定されたより早いペースで進んでいるという。国によっても回復の度合いは異なるが、今年上半期のドイツなどでの輸出の好調が大きく寄与した結果だ。一方、雇用状況も緩やかに改善しつつはあるが、依然として高い失業率が続いており、雇用なき回復が懸念されている。さらに2011年半ば以降、加盟各国が相次いで発表している歳出削減策（表参照）が、短期的な成長の減速につながると欧州委員会は見ている。財政破綻回避に向けたIMFとEUからの財政支援の条件として、大幅な歳出削減が課されているギリシャやアイルランドに加え、不況対策などで多額の累積債務を抱える他の多くの加盟国も、今後数年の間にそれぞれ数百億ユーロの歳出削減を実施するとしている。これらの多くに共通するのは、公共部門労働者の賃金の切り下げや年金支給開始年齢の引き上げだ。また例えばスペインでは、歳出削減策と平行して、短時間就業の奨励や解雇手当の削減などの労働市場改革を実施する意向を政府が示している。こうした施策に対して、公共部門労組などが反発を強めており、全国規模のストライキや大規模なデモが各国で相次いでいる。 EU加盟国の財政赤字と累積債務（2009年、％） 出典：Eurostat News Release "Provision of deficit and debt data for 2009 - Second notification - Euro area and EU27 government deficit at 6.3% and 6.8% of GDP respectively - Government debt at 79.2% and 74.0%", 170/2010 - 15 November 2010 各国の歳出削減案の概要 　 主要施策 目標 備考 アイルランド ・公務員の給与5％削減、公共部門で2万4750人の人員削減 ・社会保障費28億ユーロ削減 ・所得税引き上げで19億ユーロ増税 ・付加価値税2014年までに2％引き上げで24％に ・児童給付を月額で16ユーロ（約1割）削減（150～187ユーロに） ・炭素税導入、1トン当たり15ユーロ ・最低賃金額を時間当たり1ユーロ引き下げて7.65ユーロに ・2011年に60億ユーロ、2014年までに150億ユーロの歳出削減 ・財政赤字を対GDP比32％から2.9％に圧縮 ・金融機関救済450億ユーロで財政赤字が急増 ・11月にEUとIMFからの財政支援850億ユーロが決定 ・イギリスとスウェーデンが別途二国間の財政支援を予定 ・11月に5万人が抗議デモ、その他ストライキなど イギリス ・公共部門で49万人の人員削減を想定 ・各省庁平均で19％の歳出削減 ・法定定年年齢を2020年に65歳から66歳に引き上げ （2010年11月の記事参照） ・2014年までに830億ポンドの歳出削減（社会保障費180億ポンドを含む） ・労組、学生を中心に数千人規模の抗議デモなど フランス ・脱税対策 ・一部の景気刺激策の終了 ・年金支給開始年齢を60歳から62歳へ、公的年金の満額支給年齢を65歳から67歳に引き上げ ・高額所得者の所得税率を1％引き上げ ・3年間で450億ユーロの歳出削減 ・年金支給開始年齢引き上げをめぐり複数回にわたる100万人規模の抗議デモ、その他ストライキなど ギリシャ ・脱税対策、国税当局の汚職対策 ・公共部門労働者のボーナス廃止、賃金と年金の最低3年間の凍結 ・早期退職制度を制限、平均退職年齢を61.4歳から63.5歳に引き上げ ・付加価値税を19％から23％に引き上げ ・燃料、アルコール、煙草の税率を10％引き上げ ・3年間で300億ユーロの歳出削減 ・財政赤字を対GDP比13.6％から2014年には3％未満に削減 ・EUとIMFからの財政支援1100億ユーロが決定、5月に200億ユーロ、9月に90億ユーロが支払われた ・公共部門労働者によるストライキや暴動が頻発、4月にゼネストを実施、12月半ばにも予定 オランダ ・途上国向けの開発支援やEUへの拠出金の削減、防衛費の削減、公共部門労働者の賃金凍結、省庁統合などを検討中 ・2015年までに180億ユーロの歳出削減を行う意向 　 スペイン ・富裕層に対する増税 ・政府関係の労働者に5％の賃金引下げ、2011年は賃金凍結 ・12万ユーロを超える所得に対する1％の増税 ・第一子を出産した母親に対する一時金（2500ユーロ）の廃止 ・2011年に8％の歳出削減 ・財政赤字を09年の対GDP比11.1％から11年には6％に削減 ・9月にゼネストを実施、その他ストライキやデモなど ルーマニア ・政府関係の労働者に25％の賃金引下げと15％の年金額削減など 　 ・数千人規模の抗議デモなど イタリア ・今後3年にわたる公共部門労働者の賃金引下げ（最大10％）、新規採用の凍結 ・歳出削減、脱税対策 ・2011年の退職者の退職を最長で6カ月遅延 ・人口22万人未満の自治体を統廃合、複数の公的シンクタンクを削減 ・11年度に240億ユーロの歳出削減 ・6月にゼネストを実施、その他ストライキなど ドイツ ・子供を持つ親に対する給付の削減 ・政府関係の人員を4年間で1万人削減 ・原子力発電事業者に対する増税 ・一部の公共事業の延期 ・2014年までに800億ユーロの歳出削減（社会保障費300億ユーロを含む） 　 ポルトガル ・公共部門労働者に最大5％の賃下げ ・付加価値税の1％引き上げ ・15万ユーロを超える高額所得者に対する所得税の引き上げ（2013年には45％を予定） ・財政赤字を2010年に対GDP比で7.3％、2011年には4.6％に削減 ・11月にゼネストを実施、その他ストライキなど 参考：'EU austerity drive country by country' 25 November 2010, BBCウェブサイトほか 参考資料 "Employment in Europe 2010" European Commission、 European Commission、Eurostat、BBC、Euractive ほか各ウェブサイト 参考レート 1ユーロ(EUR)=108.74円(※みずほ銀行ホームページ2010年12月1日現在) 関連情報 海外労働情報 > 国別労働トピック：掲載年月からさがす > 2010年 > 12月 海外労働情報 > 国別労働トピック：国別にさがす > EUの記事一覧 海外労働情報 > 国別労働トピック：カテゴリー別にさがす > 雇用・失業問題、非正規雇用、統計 海外労働情報 > 国別基礎情報 > EU 海外労働情報 > 諸外国に関する報告書：国別にさがす > EU・欧州 海外労働情報 > 海外リンク：国別にさがす > EU 調査研究成果 調査研究成果の概要 プロジェクト研究シリーズ 政策論点レポート 成果の概要 研究報告書・レポート 労働政策研究報告書 調査シリーズ 資料シリーズ 労働政策レポート ディスカッションペーパー 英文レポート・国際共同研究 JILPT Report 国際共同研究・学会等 職業情報・就職支援ツール OHBYカード VRTカード キャリアシミュレーションプログラム キャリア・インサイト（統合版） 職業適性検査・職業興味検査 HRM（Human Resource Management）チェックリスト 研修実施マニュアルVer.1.0『ここがポイント！求職活動マインド～希望の就職を目指して～』 「職業相談の勘とコツの『見える化』ワークショップ」マニュアル Ver.3.0 厚生労働省編職業分類 職業レファレンスブック 職業ガイダンス資料シリーズ --> JILPTデータ・アーカイブ 国内労働事情 モニター調査 定点観測調査（企業・個人） 調査シリーズ・資料シリーズ 国内労働情報 その他の報告書・レポート 取材記事バックナンバー 海外労働情報 国別労働トピック 国別基礎情報 フォーカス 海外調査シリーズ 諸外国に関する報告書 海外統計情報 海外関連イベント 海外リンク 調査研究成果一覧 発表年別 研究領域別（研究体系トップ） 基幹アンケート調査 日本労働研究雑誌 ビジネス・レーバー・トレンド 労働問題Q&A--> 職業・キャリア関連ツール 雇用関係紛争判例集--> このページのトップへ 個人情報保護 サイトの使い方 ウェブアクセシビリティ方針 サイトポリシー 独立行政法人労働政策研究・研修機構　法人番号 9011605001191〒177-8502東京都練馬区上石神井4-8-23 Copyright c 2003- 独立行政法人労働政策研究・研修機構 All Rights Reserved.