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近年、インドネシア、ベトナムなどでは大幅な最賃の引き上げが実施された。最賃の引き上げには、低所得者をはじめとした国民の生活水準の確保・底上げ、所得増に伴う消費・内需の拡大による経済の活性化、生産工程の機械化、従業員の能力開発など企業における生産性向上といった効果が期待される。一方、人件費の増加につながることで、労働集約型企業が国外や他地域に移転し、雇用が減少する要因にもなり得る。国民生活、企業経営に多大な影響を及ぼす最賃の改定をめぐって、労使が激しく対立している国も少なくない。 それでは、こうしたアジア諸国の最低賃金はどの程度の水準にあり、どういった方式で決められているのだろうか。最近の最賃の動向や制度の仕組みと主な特徴をまとめた(注3)。 1. 最低賃金の水準と上昇率 アジア主要都市の2015年4月時点の最低賃金水準(月額)を見ると、上海は2020元(約3万7800円)、ジャカルタは270万ルピア(約2万3000円)、ホーチミンは310万ドン(約1万6000円)、などとなっている(注4)。  図1は、各国の制度上、日額、時間額等の単位、通貨等の違いはあるが、2005年を基準とした過去10年間のアジア主要都市の最賃上昇率を示したものである(注5)。この間、最賃の伸びが著しく高いのは、ベトナム、インドネシア、中国の都市部である。2005年当時の額(現地通貨)を2015年には3~5倍上回り、200~400%の上昇率を記録している。カンボジア、ラオスの首都(プノンペン、ビエンチャン)などがこれに続く。これらの都市では2008年のリーマン・ショックの影響で上昇が抑制された時期もみられたが、近年では高水準の上昇率を持続。前年比で見ると、北京では2010~11年に2年連続で20%増、ジャカルタは2013年に44%増、ホーチミンは2012年に29%増と大幅な引き上げ率を記録している。プノンペンの最賃額は過去3年間で倍増。ビエンチャンは2015年に40%を超える伸びとなり、いわゆるメコン諸国の上昇が目立つ。 図1:最低賃金上昇率の推移(2005年基準) 2005年基準で見た毎年4月1日時点の最低賃金上昇率の推移。 現地通貨建て(プノンペンはドル建て)。 ソウルは時間額、バンコク・マニラ・デリーは日額、それ以外は月額。 ホーチミンは市街地の外資系企業労働者を対象にした水準。 マニラは非農業者、プノンペンは縫製・製靴工場労働者、デリーは未熟練労働者を対象にした水準。 カンボジア(プノンペン)では2010年に50ドル(約6045円)から61ドル(約7374円)へ引き上げられたが、この22%という引き上げ幅は従来にはない大幅な引き上げであった。この大幅な引き上げの背景には、2014年まで引き上げをせず据え置かれるという前提があったとされている。しかし、据え置かれずに2013年に80ドル(約9672円)へ31%を上回る引き上げが行われ、それ以降、3年連続で30%近い引き上げ率となった。その背景には最賃をめぐるデモやストライキの過激化がある。2013年2月にベトナム・カンボジア国境沿いのバベット地区において、台湾系企業の工場を中心に違法ストライキが頻発したことが2013年5月の引き上げにつながった。2014年の引き上げに際しては、繊維業関連の労働者を中心とする大規模なデモがプノンペンで実施された。フンセン首相の辞任を求める労働者と警察・治安当局が衝突し、少なくとも3人が死亡したとされている。ただ、2015年10月末に決定した16年1月1日から適用される最低賃金は、月額140ドル(約1万6926円)に決まった。これは128ドル(約1万5475円)から9.4%の小幅な引き上げとなる。 タイでも近年、大幅に最賃が上昇した時期がある。2010年1月時点でバンコクを含む6県の最賃は1日あたり206バーツ(約692円)だったのに対し、北部のチェンマイ県では171バーツ(約574円)、パヤオ県では151バーツ(約507円)などの格差があった。それぞれ翌2011年1月に前年比で約4~5%引き上げられた後、最賃の大幅な引き上げを掲げて発足したインラック政権により、全国の最賃の水準を高めた上で一本化していく政策がとられた。2012年4月にこれら3地区の最賃は前年比約39%増と大きく引き上げられ、バンコクでは300バーツ(約1000円)に達した。さらに、2013年1月にはチェンマイ県で約20%、パヤオ県では約35%引き上げられるなどして、バンコクと同じ300バーツの最賃が全国で適用されるようになった。図2は2010年を基準とした3地区の最賃の伸び率を示したものである。2012~13年の大幅な上昇が見て取れる。300バーツの最賃はその後据え置かれているが、労働組合は360バーツ(約1200円)への引き上げを要求。使用者団体は、地区別に異なった水準を設定できるように戻すべきだと訴えている。 図2:タイ(3地区)の最低賃金上昇率の推移(2010基準) 次に各国の最低賃金制度の内容を具体的に見てみよう。設定方式、表示単位、決定方法、除外・減額対象、罰則措置について順に述べる(表:各国の最低賃金制度)。 このページのトップへ 2. 設定方式 国内で地域的な経済格差があるため、地域(省、州、県、市等)別に異なった水準の最低賃金額を設定している国が目立つ。全産業一律ではなく、産業別、職種別、あるいは職能別の最賃を併用する国も多い。 マレーシアでは、マレー半島部各州とボルネオ島(サバ州・サラワク州・ラブアン連邦直轄地)に分けている。最賃制度発足に際し労働組合は全国一律の最賃とするよう求めたが、半島部とサバ・サラワク・ラブアンの経済格差を考慮して、二区分の最賃が設定された。 ベトナムには、一般最賃と地域別最賃がある。一般最賃は政府機関、国営機関、国営企業の労働者を対象とし、地域別最賃は民間労働者を対象としている。地域別最賃は経済発展状況に応じて4つに区分。ハノイ、ホーチミンなど大都市や工業地帯を対象とした「地域1」、大都市近郊などの「地域2」、中規模都市などの「地域3」、小都市、農村などの「地域4」に分けられ、各地域間の最賃には20万~40万ドン(約1000~2000円)の差がある。各地域ともに最賃額は中央政府が決める。 インドネシアでは州知事に決定権限が委ねられ、州別最賃が原則だが、州知事が認可すれば州最賃額以上の金額の県、市レベルの最賃の設定が可能である。州、県・市では、それぞれ産業別の最賃を設定することもできる。例えば、ジャカルタ首都特別州や西ジャワ州ブカシ県などでは自動車産業などの最賃が、その地域の最賃より高い額で設定されている。 フィリピンは全国17の地区ごとに最賃額が決められている。地区ごとに職種などの設定区分が異なり、マニラ首都圏では、「非農業」「農業」「ベッド数100床以下の民間病院」「従業員15人以下の小売・サービス業」「常用従業員10人未満の製造業」に分けて最賃が示されている。地区によっては、「農業」の最賃が「プランテーション」と「非プランテーション」で異なる水準になっている。なお、同国では、基本給に加え、時間外手当などに反映しない生活手当分(COLA;Cost-of-Living Allowance)を含む額で示される場合がある(COLAの額は明示される)。改定時にCOLAの一部を基本給に組み込んだり、COLAだけが引き上げられる場合もある。 インドは中央政府で45職種、州および中央直轄領政府で1688職種の最賃を定めている。これは職種内での技能レベルによる区分や地域別職種による区分も含めた総数である。 中国では、省・自治区・直轄市等がそれぞれの地域で最賃を決める。各省・自治区では複数(3~4ランク程度)の最賃を設けており、その中の地区(市・県・区など)ごとに、経済状況に適したランクの最賃が適用されている。 タイ、カンボジア(注6)、ラオス、ミャンマー、韓国では、全国一律の最賃が設定されている。 タイでは、前述のとおり2013年までに首都バンコクの水準へと地方の最賃が引き上げられ、全国同額になった。それまでは地域別の最賃が設けられており、77の地区(地域・県)ごとにほぼ毎年改定されていた。タイには職種別・職能別最賃もある。自動車塗装工、自動車板金工、自動車修理工、タイ料理人、タイ式マッサージ師、西洋式スパセラピスト、工業電機技師、コンピュータ製図工、電気溶接工、ガス溶接工、大工、左官など22職種が対象になっており、政府が実施する試験に合格し、認定を受けた技能労働者に適用される。それぞれの職種に、技能レベルに応じた3段階の最賃額が定められている。 ミャンマーでは全国一律の制度が導入されたものの、地域間の経済格差が大きいため、経済的に遅れた地方での最賃制度の実施は事実上困難との見方がある。 このページのトップへ 3. 単位 各国が定めている最賃の単位は時間額、日額、月額と様々だ。日額表示の国の最賃を月額表示に換算して比較する場合は、労働日数が各国で異なることなどに留意しなければならない。 月額表示のみ発表しているのはインドネシア、ベトナム(注7)、カンボジア、ラオス。フィリピン、タイ、ミャンマーは日額表示となっている。マレーシアは月額を原則としながら、日給労働者、時間給労働者に配慮して、日額、時間額への換算式を明示している。 中国は月額表示のほか、「非全日制労働者」(労働時間が1日あたり4時間を超えず、週に24時間を超えない時間給労働契約の者)向けの時間額も定めている。インドは月額と日額、韓国は時間額表示で定めている。 このページのトップへ 4. 決定方法 審議会や委員会が毎年審議したうえで最賃の改定額を勧告し、政府が決定する方式が多くの国でとられている。審議会や委員会は三者構成となっているが、日本の最低賃金審議会の「三者」は労働者側委員、使用者側委員に学識経験者の公益委員が加わるのに対し、他のアジア諸国では、労使に政府関係省庁等行政機関の公務員が加わる「三者」の体制がとられている場合が多い。そして、改定額の議論・決定の際には、該当地域の生活費や平均賃金を調査した結果などが参考にされる。 インドネシアでは、最賃の設定にあたって、適正生活水準(KHL;Kebutuhan Hidup Layak)が算出される。KHLは、単身の労働者が1日に3000カロリーを摂取し、かつ1カ月間に人間らしい暮らしをするのに必要な費用とされ、食品・飲料・衣料・住宅・家庭用品など計60項目の生活必需品の物価をもとに算出される。インドネシア各州(県・市)は政労使三者と学識経験者で構成するチームを設置して物価調査を行い、その結果を州知事に勧告。州知事はこれを参考に、企業の生産性、経済成長、グローバル市場、労働市場なども踏まえ、最賃額を決める。ただし、政府は2016年より、インフレ率と経済成長率を基に最賃額を自動的に算出する新たな方法を導入する方針を示しているが、労働組合は反発している(注8)。 フィリピンでは、地区ごとに設けられた政労使からなる地域三者賃金生産性委員会(RTWPBs;Regional Tripartite Wages and Productivity Boards)が、全国賃金生産性委員会(NWPC;National Wage and Productivity Commission)が策定した「賃金ガイドライン」に沿って当該地区の産業別、職種別最賃を設定する。NWPCも行政機関、労働者、使用者の代表で構成される。NWPCは、それぞれのRTWPBsが設定した最賃を審査したうえで、政府に勧告する。勧告を受けた政府は、公聴会を経たうえで金額を決定し、公表する。公表された最賃は15日間の異議申立て期間を経て、最低賃金命令として発効する。 なお、同国の最賃は、「労働者およびその家族が生活可能な額であること」「使用者及びその産業自体の支払い能力を考慮した額であること」「現行の賃金水準や物価の動向を考慮した額であること」「国家経済の発展に資する額であること」を踏まえて決めなければならないとされている。 ベトナムでは、労働者および家族の最低限の生活の必要、経済社会状況(経済成長率、消費者物価指数等)、賃金実態に基づいて、政労使三者構成の国家賃金審議会(NWC;National Wage Council)が地域別最賃額の改定案を国会に提出。その後、政府が政令で公布する。2012年までは政府が審議会で改定案を発議していたが、2013年の法改正で労使団体も改定案を発議できるようになり、労使の発言権が増した。ただ、ベトナムの労使団体は「祖国戦線」の一員として共産党が主導する政治体制の一翼を担っていることに留意する必要がある。中国、ラオスも同様に考えられる。党が政府、行政を指導する体制下の国での最賃額の決定は、最終的には党の判断によるところが大きいとみられる。 中国の最賃は、省・自治区・直轄市の政府がそれぞれのレベルの労働組合(工会)、企業連合会・企業家協会とともに検討して作成され、中央政府(人力資源・社会保障部)に報告される。人力資源・社会保障部は中華全国総工会、中国企業連合会・企業家協会の意見を聞いたうえで、修正意見を出すことができる。 同国の最賃は、当該地の就業者およびその扶養家族の最低生活費、都市部の消費物価指数、労働者個人が納付する社会保険料と住宅積立金、平均賃金、経済の発展水準、就業状況などの要素を考慮しなければならないと規定されている。  全国一律制度を採用している韓国では「公労使」で構成する最低賃金委員会の審議・議決を経て、政府(雇用労働部長官)が最賃額を決定・告示する。 各国の最賃の改定頻度を見ると、毎年見直している国がインドネシア、フィリピン、ベトナム、韓国など多数を占める。タイも前述したように全国一律となった2013年までは毎年のように改定されていた。しかし、これらの国でも、審議の結果、据え置きとなった地域があったり、経済情勢などが考慮され、改定されなかったり、逆に前倒しで改定されたりした年もある。 中国では少なくとも2年に1度調整(改定)すると定めているが、北京、上海など主要都市は、近年では毎年改定されている。制度発足間もないマレーシアでは2年に1回見直すと定めているが、制度導入後2年を経た2015年1月の改定を見送り、同年10月に「2016年7月から適用する改定額」を公表した。 インドは「5年を超えない期間」ごとに見直すとされているが、毎年改定している州政府が多い。 このページのトップへ 5. 除外・減額対象 国によっては、小規模企業の従業員や家事労働者を最賃制度の対象から除外したり、試用期間中の最賃を減額したりする措置がとられている。 インドネシアでは、従業員10人未満の企業、土地と建物を除外した純資産額2億ルピア(約176万4000円)未満の企業について、25%を限度とする減額措置がある。また、経営不振で最賃支給が不可能な企業は、登録労働組合の書面による合意を得たうえで、州知事に猶予措置を申請することができる。この場合、合意文書のほか、過去2年分の財務諸表や労働者の役職ごとの賃金データなどの提出が必要となる。 マレーシアは家事労働者と見習い雇用契約で働く者を対象外としている。公務員については別途、「初任最低賃金額」が政府予算の中で明示される。 フィリピンでは従業員10人未満の小売・サービス業、政府により財政難と認定された企業、自然災害に被災したと認定された企業などに最賃が適用されない。総資産300万ペソ(約768万円)以下の組織なども適用除外となっている。また、見習い雇用期間中の労働者の最賃は75%に減額される。 タイでは公務員、国営企業の労働者、農業労働者、在宅労働者、個人事業主、短時間(1日8時間未満)のアルバイトが最賃の対象から外れる。ただし、アルバイトには、日額で定められた最賃の時給換算額を下回らない賃金を支払う慣行がある。 韓国は、家族のみを使用する事業所と家事使用人を対象外にしている。また、船員等には別の法律が適用される。労働部長官の認可を受けた「精神または身体の障害により労働能力が著しく低い者」には適用しない。3カ月以内の修習使用期間中の労働者(1年未満の期間契約労働者を除く)は最賃の90%の適用にとどめる。 表:各国の最低賃金制度 国名 最低賃金額 設定方式 決定方法 除外・減額対象 インドネシア 270万ルピア/月 (ジャカルタ首都特別州) 地域別 各地域で業種別賃金を併用 州ごとに設置された政労使三者構成の賃金委員会で審議、結果を州知事に勧告し、州知事で決定。原則として毎年1回改定。 企業規模10人未満、土地と建物を除外した純資産額2億ルピア未満等の企業には、25%を限度とする減額措置。経営不振で最賃支給が不可能な企業への猶予措置あり。 タイ 300バーツ/日 全国一律 技能別賃金制度あり 政労使からなる全国賃金委員会が日額最低賃金を審議して政府に答申、閣議の承認を経て決まる。原則毎年改訂(全国一律最賃化以降の過去3年間は据え置き)。 中央・地方の行政機関、国営企業、農業等。 マレーシア 900リンギ/月 (半島部) 地域別 政労使と有識者で構成される全国賃金審議会による報告を踏まえ、政府が決定。改定頻度は2年に1回。 家事労働者。 見習い雇用契約で働く者。 フィリピン 481ペソ/日 (マニラ首都圏・非農業) 地域別、職種別 各地区ごとに設置された政労使からなる地域三者賃金生産性委員会が当該地域の賃金を改定。原則として毎年改定。 従業員10人未満の小売・サービス業、政府により財政難と認定された企業、自然災害に被災したと認定された企業。 見習い期間中は75%の適用にとどめる減額措置あり。 ベトナム 310万ドン/月 (ハノイ、ホーチミンなどの大都市・工業地帯) 地域別 政労使からなる国家賃金審議会が改定案を政府に提出、政府はこれを参考に改定額を決め政令で交付。 原則として毎年改定。 公共部門には全国一律の「一般最低賃金」を適用。 カンボジア 128ドル/月 全国一律 (縫製・製靴の工場労働者) 政府、使用者、労働者の代表28名から成る労働・職業訓練省労働諮問委員会により決定。 試用期間の労働者。 ラオス 90万キープ/月 全国一律 労働社会福祉省、ラオス労働組合連合、ラオス商工会議所の三者で構成される諮問委員会により決定。 改定時期は不定期だが従来は3~4年に1度。 国際機関や大使館で就労する労働者。   ミャンマー 3600チャット/日 全国一律 政府(閣僚級)や産業別労働者・使用者などで構成される最低賃金策定に関わる国家委員会により決定。2013年に最低賃金法が制定され、15年6月に初めて最賃額が決定した。 15人未満の零細企業。本採用以前の技術研修期間の労働者、技術研修期間終了後の試用期間の労働者。経済特区(SEZ)内について特例条項あり。 中国 1720元/月 (北京市) 2020元/月 (上海市) 地域別 各地域ごとに、政府、工会(労組)、企業の三者代表の協議により決定。改定頻度は少なくとも2年に1回。 学生アルバイト。 韓国 5580ウォン/時間 全国一律 公労使からなる最低賃金委員会の審議・議決を経て雇用労働部長官が決定。毎年改定。 家族のみ使用する事業所。家事使用人。雇用労働部長官の認可を受けた者(精神または身体の障害により労働能力が著しく低い者など)。修習使用期間中は 90%適用の減額措置あり(1年未満の契約労働者除く)。 インド 348.00ルピー/日 (デリー・未熟練労働者) 223.56/日 (ハリヤナ州・未熟練労働者) 全国一律(中央政府:45職種) 地域別(23州・中央直管領:1688職種) 審議会方式と公示方式のいずれかによる決定。審議会方式では中央政府又は州政府に政労使三者構成の公正賃金委員会が設置され、審問が行われた後に答申、この答申に基づき政府が決定する。5年を超えない期間ごとに見直し。 全ての施設に適用されるものではなく、最低賃金法別紙において特定された産業施設およびその後に通達によって追加された産業施設における労働者が対象となる。 最低賃金額は2015年10月現在。 このページのトップへ 6. 罰則 最賃以下の支払いをした使用者に対し、最賃との差額の支払いを命じる処分を行うことや、懲役刑、罰金刑、またはその両方の刑を科すことが多くの国で定められている。 違反した企業経営者に対し、タイでは10万バーツ(約33万6000円)以下の罰金か6カ月以下の禁固刑、または併科の罰則を科す。インドネシアは1~4億ルピア(約88万2000~352万8000円)の罰金か1~4年の禁固刑、または併科。フィリピンでは、未払賃金の倍額の支払いが命じられるほか、裁判所の判断により、罰金2万5000~10万ペソ(約6万4000~25万6000円)、または懲役2~4年(併科もあり)の罰則が適用される。 ベトナムは2000万~1億5000万ドン(約10万7000~80万2000円)の罰金。マレーシアでは、労働者1人当たり最高1万リンギ(約29万円)以下の罰金を科す。違反常習者には2万リンギ(約58万円)以下の罰金または5年以下の懲役、もしくは併科とし、違反が継続している間はこれらに加えて1日あたり1000リンギ(約2万9000円)の罰金となる。 中国は労働保障行政部門が期限を定めて不足分の労働者賃金を支払うよう命じるものとし、あわせて不足賃金の1~5倍を賠償金として労働者に支払うよう命じることを定めている。韓国の罰則は、3年以下の懲役または2,000万ウォン(約211万円)以下の罰金(併科も可)となっている。 このページのトップへ 注 精米業、たばこ製造業の労働者を対象にした最賃制度は設けられていたが、極めて低い水準に設定されており、実質的には機能していなかった。(本文へ) 小売店販売員、ペナン港の港湾労働者などを対象にした最賃は以前からあったが、「極端に低い賃金の排除」を目的としたもので、対象労働者数も極めて少なかった。(本文へ) ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国のうち、最賃制度が整備されていないシンガポールとブルネイを除く8カ国に、中国、韓国、インドを加えた11カ国を取り上げた。(本文へ) 文中の円換算額は2015年10月現在のレートで参考値として算出したものである。(本文へ) 各国の最賃制度所管省庁・委員会等のウェブサイトに掲載された最賃額の数値をもとに作成した。(本文へ) 縫製・製靴業の工場労働者のみ対象としている。(本文へ) ベトナムの表示は本フォーカス斉藤氏の論稿「労働法をめぐる問題」を参照のこと。(本文へ) 詳しくは本フォーカス竹内氏の論稿「最近の労働事情」を参照のこと。(本文へ) 参考文献 各国最低賃金制度所管省庁・審議会等ウェブサイト 香川孝三(2014)「ベトナムの最低賃金制度」『季刊労働法245号』 河合塁・リム・ベンユウ「マレーシアの最低賃金政策と課題」『季刊労働法250号』 熊谷謙一(2015)『アジア労使関係と労働法』日本生産性本部 厚生労働省ウェブサイト「海外情勢報告」 国際労働財団(2014)『アジア雇用労働レポート』国際労働財団 日本在外企業協会(2013)『海外派遣者ハンドブック(インドネシア編)』日本在外企業協会 日本在外企業協会(2014)『海外派遣者ハンドブック(フィリピン編)』日本在外企業協会 JILPTウェブサイト「海外労働情報」(2013)『マレーシアの労働政策――中長期経済政策と労働市場の実態(JILPT海外労働情報13-11)』JILPT JILPTウェブサイト「海外労働情報」(2015)『第12回北東アジア労働フォーラム報告書 最近の賃金動向と最低賃金制度(JILPT海外労働情報15-02)』JILPT JILPTウェブサイト「統計情報」(2015)『データブック国際労働比較2015』JILPT (ホームページ最終閲覧:2015年10月30日) 2016年1月 フォーカス:アジア諸国の日系企業をとりまく投資環境の変化と労使関係 アジア諸国の日系企業をとりまく投資環境の変化と労使関係:序文 東南アジア諸国連合(ASEAN):ASEAN経済統合と労働法制(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス) ミャンマー:投資環境の整備 インドネシア:最近の労働事情 ベトナム:労働法をめぐる問題点 中国:社会変容の中の日系企業 インド:労使関係の課題 アジア:アジア諸国の最低賃金(インド、インドネシア、カンボジア、タイ、韓国、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス) 関連情報 海外労働情報 > フォーカス:掲載年月からさがす > 2016年の記事一覧 > 1月 海外労働情報 > フォーカス:カテゴリー別にさがす > 労働法・働くルール、労使関係、労働条件・就業環境 海外労働情報 > 国別労働トピック > 国別にさがす > インド、韓国、中国 海外労働情報 > 国別労働トピック > 国別にさがす > その他の国 > インドネシア、タイ、フィリピン、べトナム、マレーシア 海外労働情報 > 国別基礎情報 > インド、韓国、中国、マレーシア 海外労働情報 > 国別労働トピック:カテゴリー別にさがす > 労働法・働くルール、労使関係、労働条件・就業環境 --> 海外労働情報 > 国別基礎情報 > その他の国 > インドネシア、タイ、フィリピン、べトナム 海外労働情報 > 諸外国に関する報告書:国別にさがす > インドネシア、韓国、タイ、中国、ベトナム、マレーシア 海外労働情報 > 諸外国に関する報告書:カテゴリー別にさがす > 労働法・働くルール、労使関係、労働条件・就業環境 --> 海外労働情報 > 海外リンク:国別にさがす > インド、インドネシア、韓国、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア 調査研究成果 調査研究成果の概要 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